世界がCOVID-19パンデミックの余波への対応を続けるなか、私たちは、世界秩序を覆し、予見しうる将来にわたって人類の歴史を書き換えかねないパラダイムシフトの只中にいます。このような不確実な時代において、前例のない課題を前に、先を見越した政策的解決策を模索し、国や大陸を越えた協力を強化するために必要な手段を次世代の分析者や実務家に授ける教育を受けることほど、重要な意味を持つ瞬間はないと思います。GraSPPでの日々と、その経験が私のキャリアにどう生きてきたかを振り返ると、このプログラムが提供する授業と学習環境は、そうした成長にとって理想的な場であると確信しています。
アメリカ政治を取材するニュースプロデューサーとして数年間働いた後、私はアジアに焦点を当てて国際関係と公共政策への理解を深めるため、大学院への進学を決めました。GraSPPのプログラムは、その目的に自然に合致するものでした。授業課題を通じて、分析スキルを磨き、公共政策に関わる幅広いテーマ——経済学の基本原理や政策交渉の戦術から、国際社会が直面する社会・外交・安全保障上の課題の複雑さまで——をカバーする新しい学問領域に取り組むよう後押しされました。また、GraSPPにはアジア各地や世界中から学生が集まっており、地球規模に広がる個人的・職業的ネットワークを築く機会にも恵まれました。
GraSPPでの学びが、キャリアの次の一歩を踏み出すための足場になったと、自信を持って言えます。2018年に修了して以来、私は笹川平和財団(SPF)で英語ウェブサイトのチーフエディターとして働いています。SPFは東京にある公益財団法人で、研究や海外パートナーとの協働プロジェクトを通じて地球規模の課題に立ち向かうことを使命としています。財団の専門家たちが取り上げるテーマの多くは、GraSPPでの私の学びとそのまま重なります。ほんの一例を挙げるだけでも、日米関係や人と人とのつながりを強化する取り組み、日本および世界各地で新たに生じる安全保障上の課題の分析、さらには紛争解決や平和構築などがあります。
広報チームの一員として、私はさまざまな部署の専門家と連携しながら、SPFが実施するプロジェクトやイベントについて発信するほか、財団とともに活動する多くの研究者、活動家、政治家へのインタビューも行っています。こうした仕事では、財団が扱う多くのテーマの土台となる理論的背景だけでなく、学術的探究の進め方も含めて、GraSPPで身につけた知識のすべてを日々総動員することが求められます。
今日の世界は、私が最初にGraSPPに入学した2016年の世界とは、多くの点で見違えるほど変わってしまったように思えます。しかし、自分の経験を踏まえて、国際社会が直面するさまざまな課題に立ち向かうために、このプログラムが提供する機会をぜひ活用してほしいと、皆さんに勧めたいと思います。
*サムネイル写真:笹川平和財団のご厚意による提供