私が求めていたのは、まったく新しい文化的・文明的な経験と、学問的内容の面で高い水準の交換留学でした。言い換えれば、私の目的は「クラブメッド型の交換留学」ではなく、自分のキャリアプランにおける新たなマイルストーンを達成し、自らの適応力を試すことにありました。MPP/IPプログラムへの参加は、この2つの目的に合致していました。豊かな文化に触れ、評価の高い外国の大学で授業を受けることができたのです。
さらに、フランスと日本は、公的債務、高齢化、そしてエネルギー転換を成し遂げるという喫緊の必要性など、よく似た課題を共有しています。しかし、政策立案者はそれぞれ異なる枠組みと地政学的な近隣環境の中で活動し、改革を実行しています。私は、特にEUの制約にとらわれずに発想する機会を探していました。たとえば、アベノミクスについてもっと知りたいと思っていました。そして最後に重要な点として、日本は、国際関係の新たな結節点であるアジア太平洋地域において、依然として枢要なアクターであり続けています。その利害と仕組みをより深く理解することは、この地域で起きている変容を把握するうえで不可欠に思えました。
MPP/IPについて
GraSPPは、要職にある優れた教授陣による、幅広く多様な授業を提供しています。私は、正式に履修登録する前の最初の4週間、授業を試しに受けてみる機会を与えられました。最終的に、主にエネルギーや環境に関連するもの、さらにソブリン債務、イノベーションとテクノロジーに関するものを中心に、9つの授業を選びました。私が得た機会のいくつかを挙げると、谷みどり教授の「Norms on the Environment: Creation and Compliance(環境をめぐる規範:創出と遵守)」の授業の一環として環境省を訪問しました。田中伸男教授が教える「Energy Security(エネルギー安全保障)」の講義は実に刺激的でした。心を動かされるゲストが招かれ、興味深い対話を交わすことができました。また、日下一正教授によるエネルギー政策に関する授業も履修しました。受講者はごく少人数で、和やかな雰囲気の中で教授と交流し、その経験と知見から学べる環境を本当にありがたく思いました。
そして最後に重要なこととして、教室がこれほど国際色豊かだとは予想していませんでした。私たちは、すべての大陸から集まり、多くの国籍が揃った非常に多様な集団でした。私は人的ネットワークを広げ、新しいつながりを築くことができました。学生同士の雰囲気は最高でした。余暇には、パーティー、カラオケ、観光、スポーツなど、多くの活動を共にしました。
日本で学ぶということ
日本で学ぶことには多くの利点があります。たとえば、不安やその気配がほとんど存在しないきわめて安全な社会の中で、高所得国ならではの生活水準(食の質、交通・教育インフラ)を享受できることです。西洋の学生にとって、日本で得られる文化的な豊かさは比類のないものです。日本の人々はとてもホスピタリティにあふれ、フランスにいつも好奇心を抱いてくれていると感じました。さらに、幸運にも受給できたJASSO(日本学生支援機構)奨学金について、日本政府に感謝したいと思います。日本の生活費の高さを考えると貴重な経済的支援であり、外国人学生を呼び込もうとする日本の公的機関の意欲の表れでもあります。 振り返れば、東大には1学期だけでなく丸1年滞在したかったと思います。観光もしましたが、十分とは言えませんでした。特に休暇中には、機会をとらえて京都で1週間を過ごしました。
私は国際関係についての視野を広げ、世界中から来た人々と交わりました。エネルギー関連の問題について確かで信頼に足る知識を身につけ、その結果、それらが極めて重要であるという認識も大いに高まりました。現在私が学んでいるHECパリ・ビジネススクールのサステナビリティ修士課程への出願を決めたのは、日本での日々の中でのことでした。振り返ってみれば、それは良い選択でした。
正直に言えば、日本で学ぶにはかなりの数の行政手続きが必要で、特に日本語を話せない学生にとっては複雑に感じられるかもしれません。 しかし、GraSPPの事務局はとても協力的で、スタッフ全員が、あらゆる障害を取り除いて物事を円滑にし、文化的なギャップを埋めるために最善を尽くしてくれました。特に、GraSPP事務局が運営するチューター制度の質の高さは強調しておかなければなりません。私のチューターを務めてくれた Kazushige Yoshimaru さんに心から感謝します。来日後すぐに、住民登録や健康保険の手続き、銀行口座の開設、携帯電話の購入まで、彼が手際よく導いてくれました。 私は1学期だけの在籍だったにもかかわらず、スクールに完全に溶け込むことができました。学期の初めには、事務局がすべての留学生のために伊豆への歓迎旅行を企画してくれました。それは本当に贅沢で素晴らしい経験で、私たちは「温泉(原文では“Osen”)」や伝統的な日本食に出会いました。GraSPPの10周年記念をはじめ、学期を通じてあらゆるイベントにいつでも歓迎してもらえました。
要するに、ためらうのはもうやめましょう。MPP/IP交換留学に応募してください。後悔はしないはずです。