GraSPPでの学びは、複雑な人道支援の現場で今も私を導いてくれる分析の基礎とグローバルな視点を与えてくれました。現在、私は国連世界食糧計画(国連WFP)のミャンマー・ラカイン州エリア事務所長として、同国で最も困難かつ不安定な地域のひとつで食料支援オペレーションを率いています。
私の職務には、自然災害や武力紛争といった危機の際の緊急対応の調整が含まれます。たとえば2023年のサイクロン・モカの上陸後には、20万人を超える人々に即時の食料支援を届ける大規模な人道支援オペレーションを指揮しました。 また、ミャンマー国軍とアラカン軍の戦闘が再燃した際には、緊急の人道ニーズに応えるための迅速対応メカニズムの起動を確保しつつ、職員の退避・移転の計画と実行を主導しました。
現場での仕事には、技術やロジスティクスのスキルだけでなく、国連諸機関、ドナー、地域コミュニティ、国の当局など、幅広いステークホルダーと調整を行う力も求められます。私はラカイン州におけるWFPの首席代表として、またエリア安全調整官(Area Security Coordinator)として、人道支援アクター間の調整を促進し、国連常駐調整官と人道調整官の双方と緊密に連携しています。
2024年には、GraSPPのセミナーで短い講義をする機会をいただきました。グローバルな課題に情熱を持ち、変化を起こそうと意欲にあふれる研究者や学生のみなさんと対話できたことは、本当に示唆に富む経験でした。
GraSPPで過ごした時間は、エビデンスに基づく政策と国際協力の重要性を教えてくれました。そして、世界で最も差し迫った危機に対応する際に欠かせない、学際的な思考とレジリエンスを育む助けとなりました。
国際機関や公共サービスでのキャリアを考えているみなさんには、挑戦を受け入れ、柔軟であり続け、そして自分の仕事が役立てるべき人々のことを決して見失わないでほしいと思います。 国際機関でのキャリアパスを考えるうえで私に何かお手伝いできることがあれば、喜んで力になります。