ベルリンのヘルティ・スクール・オブ・ガバナンスでの一学期は、人生で最高の時間のひとつになりました。この学期ほど好奇心にあふれ、社交的で、外向的だったことはありません。
私は、ヨーロッパの、より具体的にはドイツの視点から政策課題を学べることを期待してヘルティ・スクールに来ました。しかしヘルティ・スクールは、期待していた以上に、新しい関心を発見する多くの機会を与えてくれました。交換留学生として、国際関係修士課程(Master of International Affairs)と公共政策修士課程(Master of Public Policy)の双方から授業を選べる大きな柔軟性を享受しました。「European Migration and Refugee Policies(欧州の移民・難民政策)」という授業を通じて移民研究への関心を深めるなかで、移住グローバル・コンパクト(GCM)に関する政府間会議のサイドイベントであるマラケシュのユースフォーラムに、日本代表として参加しました。このフォーラムは、移住に関するグローバル・コンパクトの採択に先立ち、国連子ども・若者メジャーグループが主催したものです。受け入れ国と出身国の双方にとって移住の成果を高めるために各国が何をしているのかを、この会議とヘルティ・スクールでの授業内の議論の両方から学びました。
ヘルティ・スクールで学ぶことは、世界の若きリーダーたちと直接関わることでもあります。学生は、授業やシンポジウムを通じて、一流の教授陣や著名な登壇者と間近に交流する機会に恵まれます。さらに、ヘルティの学生自身が未来のリーダーです。3か国語以上を話すヘルティの学生たちは、常に自分の意見を持ち、自ら手を挙げて積極的に議論に参加します。優秀なクラスメイトに囲まれて、私も自分を高めて彼らに追いつこうという意欲をかき立てられました。新しい知見を得て、結びつきの強いコミュニティの中で優秀なクラスメイトと学びたい人には、ヘルティ・スクールでの学びを強くお勧めします。
ベルリンは信じられないほど多様性に満ちた都市です。自由、寛容、国際主義のための闘いの場であり続けてきたドイツの首都は、あらゆる人々を受け入れます。その多様性の中で、私の「普通」は実は単に自分が慣れ親しんだものに過ぎないと気づきました。ベルリンで時を重ねるうちに、「普通」「変」「正しい」「間違っている」といった言葉を、「違う」というただ一語に置き換えている自分に気づきました。自分の肌の色とアイデンティティに自信を持てるようになるにつれ、ありのままの自分を表に出すようになり、ベルリンの友人たちはそんな私を温かく受け入れてくれました。ベルリンのリベラルな空気と人々は、間違いなくヘルティでの生活に欠かせない要素でした。地元のカフェを見つけたり、自転車で街を走り回ったり、評判のドイツビールやカリーヴルスト、飲んだ後のドネルケバブを楽しんだり――ベルリンでは友人たちと実にいろいろなことをしました。友人たちと分かち合った瞬間のすべてが忘れられません。
今では、ベルリンへ移り住むことが自分にとって実際に何を意味していたのかが分かります――それは私を生まれ変わらせてくれたのです。私が日本でそうだったように、一つの場所に長く住んでいると、同じ言語を話し同じ文化を共有する人々に常に囲まれているため、互いの違いを忘れがちです。一方、ベルリンでの生活のほとんどの時間、私は唯一の日本人でした。オープンマインドな友人たちに囲まれ、自分の「普通」が普通でなくなった日々を振り返ると、その経験は、他の見方に寛容であるという意味で、私を確実に強くしてくれたと思います。
交換留学の一学期は、私をより良い人間にしてくれたでしょうか? Jein(イエスでもありノーでもある)――それは私を、以前とは違う人間にしてくれました。今の私は、人と違う自分であることを誇りに思っています。一学期間の留学の旅の締めくくりとして、これ以上望むものはありませんでした。これを実現してくださったすべての方々に、心からの感謝を申し上げます。