GraSPPに入学した目的は何でしたか?
私は、中央銀行職員としての学問とキャリアを高めるという目的でGraSPPに入学しました。キャリアの重要な岐路に差し掛かっていた当時、視野を広げ、名門大学の世界水準の教育で自分の経験を補完したいという考えから、GraSPPの公共政策修士プログラム(Master of Public Policy Program)に出願することを決めました。東京大学の名声と評判が、この決断において重要な役割を果たしたことは言うまでもありません。
GraSPPの魅力や刺激を受けた点は何でしたか?
IFI(国際金融機関)コースでの発表
GraSPPは、活気にあふれ、多文化で多様性に富んだ環境を提供しており、その独自の特長によって、私にとって無限の可能性が広がる場所となりました。授業は理論経済学・計量経済学から政治学、公衆衛生まで幅広いトピックを網羅し、学生は多様なバックグラウンドを持つ人々の集まりで、教員陣は素晴らしい学術的経歴と国際機関での豊富な経験を備えていました。さらに、研究科の枠を越えて柔軟に科目を選択できることも、私が喜んで活用したGraSPPの利点の一つでした。
要するに、GraSPPでの学びは、キャリアを前進させるために必要な知識を授けてくれ、社会経済や公共政策の課題に対する視野を広げてくれました。こうして学んでいるうちに、自分の野心が、グローバルな規模でより大きく、より良い変化を起こすという目的へと進化していることに気づいたのです。
GraSPPでの思い出深い経験や授業を教えてください
私はGraSPPで、自身の専門的な成長を後押しし、その後のキャリアの軌道を形づくってくれる経験をいくつも得る幸運に恵まれました。
私の職業上・学問上のニーズにぴったり合った優れたコアカリキュラムに加えて、GraSPPには、喫緊の国際課題について議論し、革新的な解決策を見いだせるよう学生を育てることを目的とした多彩な選択科目があります。その一つが、GraSPP Policy Challengeと呼ばれるケーススタディの授業でした。この授業では、学生がチームに分かれ、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の一つに対する創造的な解決策を考案します。私たちのチームは、SDG目標12「つくる責任 つかう責任(Responsible Consumption and Production)」の文脈で家庭の食品廃棄を削減する解決策を開発し、フランス・パリで開催されたGlobal Public Policy Network(GPPN)会議への参加チームに選ばれました。
GPPNは、コロンビア大学SIPA、パリ政治学院(Sciences Po)公共政策大学院、LSE公共政策大学院、シンガポール国立大学(NUS)リー・クアンユー公共政策大学院、そしてGraSPPなど、世界的に名高い公共政策大学院のネットワークです。この分野で最も優秀な人々と新たなグローバル課題について議論し、イノベーションと創造性を育む環境に身を置けたことは、私にとって実に目を開かれる経験でした。
もう一つの思い出深い経験は、ジェリー・シフ教授と西沢先生が担当する「Life at an International Financial Institution(国際金融機関での仕事)」という授業の受講です。この授業は、IMF職員が行う分析業務や文書作成業務の範囲と性質を扱います。これは私にとって決定的な瞬間でした。この機関で働きたいと、そのとき気づいたからです。6年後、私はこの志を実現し、IMFに加わりました。
最後に、Statistical Methods(統計手法)、Macroeconomics for Public Policy(公共政策のためのマクロ経済学)、Mathematics for Public Policy(公共政策のための数学)といった科目のティーチング・アシスタントを務める機会もいただきました。科目を教えることは、もう一段上の学びです。それは素晴らしい学習機会であると同時に、教員と長く続く関係を築く絶好の方法でもありました。今日に至るまで、先生方とは連絡を取り合っています。
西沢先生と日本銀行を訪問したGraSPP生たち
日本で学ぶことの利点は何ですか?
広島への旅
日本は、その水準の高さで有名な国です。日本へ行けば、教育の質が保証されることは分かっていました。それ以上に驚かされたのは、人々が自分自身に、そして互いに課している水準の高さでした。日本の人々は勤勉で、高い誠実さと誇りを持ち、必ず約束を守ります。日本文化のこうした側面に感銘を受け、自分自身をより高い水準に保つことを教わりました。そこで学んだ前向きな資質は、日々の生活を送るうえで今でも私を助けてくれています。
GraSPPでの学生生活はキャリアに影響しましたか?
はい。そして、その逆もまた然りです。中央銀行での経験は、現実世界の課題をしっかり把握できていたという点で、学業に確かに役立ちました。卒業後は、GraSPPでの経験が職業生活をさらに豊かにしてくれました。政策課題に対して新鮮で幅広い視点を持てるようになり、仕事のプロジェクトにより有意義な貢献ができるようになりました。また、気候変動や持続可能な開発といった新たなグローバル課題にも精通していたことが、現在のキャリアの方向性を形づくる助けとなりました。
GraSPPはあなたの人生にとってどのような存在ですか?
モンゴル・ウランバートルでのGraSPPアウトリーチイベント
GraSPPは、型にはまらないアイデアが融合してシナジーを生み出す場所であり、そこで学んだことは私の人生を変える経験となりました。一つひとつの経験が、価値あることを教え、私に挑戦を促し、世界観を広げてくれました。多様なバックグラウンド、視点、アイデアの交わりは、幸せな「創造的破壊」のレシピでした。重要な政策課題に向き合うとき、学んだことをいったん手放し(アンラーンし)、開かれたマインドセットを持つことを学びました。
入学を考えている学生へのアドバイスやコメントはありますか?
凝り固まった考え方のせいで、より大きな全体像を見たり、より優れたアイデアに耳を傾けたりすることを妨げられてはいけません。GraSPPには、学び、成長し、コンフォートゾーンから踏み出すための機会が無限にあります。GraSPPでの時間を最大限に活用して、明日の政策課題に立ち向かうスキルと知識を備えた、バランスの取れた政策立案者になってください。