ソウル大学校での1年目は、北東アジアにおける協力の可能性と課題の両方を私に教えてくれました。履修した授業に加え、CAMPUS Asia メンバーとの定期的なミーティングでは、和やかな対話、フィールドワーク、グループプロジェクトを通じて、日本・中国・韓国への理解が深まりました。翌年の日本での探究を楽しみにしていましたが、新型コロナウイルスの流行により、母国から画面越しに教授や仲間たちと交流する方法を学ぶほかありませんでした。8か月に及ぶ入国制限の後、ようやく日本の地を踏むことができ、事務スタッフの親身なサポートのおかげで長く滞在することを認められ、ついに友人たちと直接会い、日本政府と市民が新型コロナウイルスと2020年東京オリンピックの開催にどのように対応してきたかを目の当たりにするという貴重な機会を得ました。
浅草・仲見世商店街
東京大学での最初の学期、CAMPUS Asia 合同コースは、私たち CAMPUS Asia メンバーが互いに交流できるほぼ唯一の機会でした。そのような制約の多い環境にもかかわらず、3大学の教授陣による講義からは、世界の覇権を争うライバルであると同時に国家安全保障に不可欠な同盟国でもある米国に対する、日中韓(CJK)各国の異なるアプローチについて多くを学びました。同様に、3か国の世界観は、それぞれの軍事力や経済の規模に応じて異なります。文化面では、日中韓は何世紀にもわたる三国間の交流を通じて近接性を育んできました。それは一方で人々を個人のレベルで結びつけてきましたが、他方で政治のレベルでは複雑な問題を生んでもきました。たとえば「regret(遺憾)」という言葉は、各言語で「유감」「遗憾」「遺憾」と訳せますが、言語的な違いは自然と曖昧さを生み、外交をはじめ多くの場面で誤解や摩擦につながります。それでも、日中韓の市民同士の心の通ったコミュニケーションを通じてこうしたニュアンスを掴むことが、北東アジアのアイデンティティを形成するために必要な一歩なのだと気づくようになりました。総じてこのコースは、現実政治(リアルポリティーク)が地域の平和の障壁になっているとしても、日中韓の人々がその必要性を自覚している限り、三国間協力の余地はあるということを教えてくれました。
東京スカイツリー
2学期に履修した GraSPP Policy Challenge は、私にとってまさに挑戦でした。全員が定期的なグループディスカッションへの参加を強く求められましたが、私はそれにあまり慣れていなかったからです。しかも、私たちのグループの政策設計と提言は、東京大学の著名な教授陣によって発表・評価され、さらに最終ラウンドでは世界で最も名高い公共政策大学院の学長たちによって審査されるのです! 幸い、私の怖気づいた気持ちが興奮と情熱に変わるまで、それほど時間はかかりませんでした。私はチームメイトに、将来の CAMPUS Asia プログラムのあるべき姿を調査しようと提案しました。メンバーの大半は CAMPUS Asia のメンバーで、既存プログラムを発展させる可能性を掘り下げました。私たちは、北東アジアと東南アジア双方の高校生を包含する、より包摂的なモデルを提案し、交流プログラムを通じて彼らが「東アジア地域主義」を形成できるよう支援することを目指しました。その過程で、日中韓や東南アジア諸国が採るさまざまな政策やアプローチを観察することができました。ひとつ明確なのは、教育は政治的緊張に対する有効な処方箋になり得るということです。長期的に見て、より志を共有し、協力に開かれた若者を育てることになるからです。私たちは最終ステージまで勝ち進み、Global Public Policy Network 2021 で発表する栄誉に浴し、コロンビア大学国際公共政策大学院(SIPA)の学長であるジャノウ教授から前向きなフィードバックをいただきました。
奈良公園
オンライン授業の外では、できる限りソーシャルディスタンスを保ちながら、さまざまな都市を旅して、おいしい日本食や「温泉」を満喫しました。京都や札幌といった有名な観光地で、人気がありながらも静まり返った通りを歩き、閉まったままの多くの店を眺めていると、パンデミックが地域経済を痛めつけていることを容易に感じ取れました。一方で、福岡や神戸の賑わう通りを通りかかったときには、多くの若者たちが思い思いに楽しんでいる姿に希望も見ました。オリンピック期間中は多くの競技を観戦し、友人たちと一緒に韓国と日本のサッカーチームを熱心に応援しました。日本人選手たちの素晴らしい活躍に感嘆しながら、海外からの大勢の観光客がこの祭典を熱狂的に祝い、東京がもっと活気づいていたらと願わずにはいられませんでした。東京スカイツリーに掲げられたオリンピックシンボルと、夜にはほとんどの店が閉まった浅草寺の入口前の通路に座り込む、疲れ切った様子のオリンピック選手たちを同時に見つめながら、北東アジア、そして世界が一丸となって新型コロナウイルスに立ち向かうことが不可欠だと感じました。
まとめると、東京大学での私の CAMPUS Asia プログラムは、パンデミックによる制約のために予期せぬ挑戦や障害に満ちていましたが、GraSPPのスタッフの皆さん全員による素晴らしい学生サポートのおかげで喜びもありました。スタッフの皆さんに心からの感謝を捧げたいと思います。