GraSPPに入学した目的は何ですか?
私は、シンガポールの公務員としてのキャリアに実践的に役立つ科目を学ぶためにGraSPPに入学しました。カリキュラムには、経済学から法学まで、さらには公共セクターの重要なテーマについて視野を広げてくれる選択科目まで、バランスよく科目が揃っている点をありがたく感じました。
GraSPPの魅力や刺激的だった点は何ですか?
GraSPPが魅力的だったのは、著名な研究者と経験豊富な実務家の両方から学べる機会があることでした。GraSPPの学生はきわめて多様で、さまざまな国籍や人生経験を持つ人々で構成されており、文化と視点の豊かな「るつぼ」を生み出しています。私自身、この多様性がもたらす無数の視点から学ぶことで、計り知れないほど多くのものを得ました。
GraSPPでの思い出深い経験や授業を教えてください
GraSPPでの学業面のお気に入りの経験を5つ紹介したいと思います。
行政学・公共経営の専門家であり、教室でその学問を生き生きと伝えてくださった青木教授から学べたことは光栄でした。教授の授業はとてもインタラクティブで楽しく、学ぶことが喜びになりました。論文指導教員として、青木教授は惜しみなくその知見を分かち合い、専門分野への私の理解を深める手助けをしてくださり、私の学びの経験を大いに豊かにしてくれました。論文執筆では数多くの困難に直面しましたが、教授の指導と支えのおかげで、それらの壁を乗り越えることができました。青木先生、不器用な私を信じてくださり、ありがとうございました。
CAMPUS Asiaの科目も、私のGraSPP経験のハイライトのひとつでした。服部教授のご厚意で、日本銀行を訪問し、財務省の方々と交流する機会を設けていただきました。折しも同じ時期に「Macroeconomics for Public Policy(公共政策のためのマクロ経済学)」の科目も履修していたため、これらのフィールドトリップはマクロ経済学の理解を深めるうえでも役立ちました。2つの授業の学びを相乗的に結びつける貴重な機会となり、マクロ経済のテーマを複数の視点から見ることができました。
集中講義として開講されたオルシ教授の「Introduction to Social Science(社会科学入門)」は、土曜日を知的刺激に満ちたものにしてくれました。(「集中」講義だけに、というしゃれですが)熱のこもった内容の講義を通じて、オルシ教授の授業からは教材への深い精通ぶりが伝わってきました――そして土曜日に教室にいるにもかかわらず、気がつけば一瞬一瞬を心から楽しんでいました。
ローソン教授の「Introduction to Japanese Law(日本法入門)」の授業は、知的に骨が折れるものでしたが、得るものは非常に大きいものでした。課題文献は多く複雑でしたが、ローソン教授はいつも支えになってくださり、私たちの質問にすぐに答え、学びを最大限に高める方法を示してくれました。むしろ、2024年の私へのクリスマスプレゼントは、これほど優れた研究者のもとで学べたという恵まれた経験そのものでした。
「Public-Private Partnerships(官民連携)」の科目では、西沢教授が外部のクライアントと協働する貴重な機会を提供してくださいました。これらの授業は、問題解決能力を磨くための現実の文脈を与えてくれ、現実の問題に対処する実践的な解決策をつくり出す助けになりました。
これらは、GraSPP在学中に履修できた、学びの多い楽しい授業のほんの5つにすぎません。GraSPPでも東京大学全体でも実に多彩な科目が開講されており、誰にとっても必ず合うものが見つかるはずです。
あなたの考えでは、日本で学ぶことの利点は何ですか?
安全さ、清潔さ、素晴らしい食事という分かりやすい利点に加えて、日本で学んだことで、日本への理解を深める機会を得られました。GraSPPの学生であることで、日本の視点や優先事項を理解できるようになりました。この「内側からの視点」こそが、ここで過ごした時間から得た最も価値ある収穫だと感じています。こうした文化面・学問面の感受性は、育むのに相当の時間を要します――この2年間が与えてくれたのは、まさにその質の高い醸成の時間でした。
卒業後のキャリアの歩みについて教えてください
その後、シンガポールの公務員となり、現在はデジタル開発・情報省(Ministry of Digital Development and Information)で働いています。
振り返ってみて、GraSPPはあなたにとってどのような場所・時間でしたか?
GraSPPでの2年間は、たくさんの学びと友情に満ちていました――友人たち、教授陣、そしてGraSPPのスタッフの皆さん、この2年間をこのうえなく楽しいものにしてくれてありがとうございました。これほど多くの優れた方々から助言をいただき、支えられ、育てていただけたことを光栄に思います。数えきれない定食ランチ、カフェでのひととき、ちょっとしたロードトリップを重ねるなかで、GraSPPでできた友人たちは、私の日本での時間を忘れがたいものにしてくれました。東京には一人で来たかもしれませんが、友人たちみんなにもう一度会いたいという強い思いとともに、ここを発ちます。
これからの学生へのアドバイスやコメントをお願いします
学期中は、適切なペース配分が欠かせません。教授や友人、先輩と話して、それぞれの科目でどのような課題(成果物)が求められるのかを把握しましょう。可能なところでは課題の時期を分散させ、GraSPPでの2年間を通じてベストのパフォーマンスを発揮できるようにしてください。また、1年目の終わりには、必修単位をすべて取り切れる見通しになっているか、確認するのを忘れずに!
各学期の終わりには、教室の外で楽しむことも同じくらい大切です。GraSPPの学年暦の素晴らしさは、幅広い活動に取り組むための数多くの選択肢を与えてくれる点にあります。休暇中には、インターンシップに挑戦するのもいいですし、日本中を旅するのもいいでしょう(47都道府県は、向こうから探検されに来てはくれませんから)――いずれにしても、目の前に開かれた可能性に驚嘆することになるはずです。
GraSPPでの時間を大切にしてください――ここでは時間が本当にあっという間に過ぎていきます。