2021年、私は、社会的インパクト投資とクラウドファンディングの分野で日本をリードする金融機関であるミュージックセキュリティーズでの3カ月間のインターンシップに選ばれました。同僚たちとその指導、そして共有する価値観のおかげで、10カ月という充実した期間にわたり同社でインターンを務めるという喜びと、またとない機会に恵まれました。
インパクト投資という概念に初めて出会ったのはGraSPPでのある講義のときで、リスクとリターンという従来の考慮事項の先を見据えるこの資金供給のアプローチに、私はたちまち惹きつけられました。ミュージックセキュリティーズは、事業や投資が社会や環境に与えうるインパクトを考慮するこの投資アプローチの破壊的な可能性にいち早く気づいた、日本で最初期の企業のひとつです。同社の主力事業である「セキュリテ」は、個人が少額の資金を投資して、そのミッションや事業に共感する企業――多くは日本の中小企業(SME)――を支援できるクラウドファンディング・プラットフォームです。
ミュージックセキュリティーズでのインターン期間中、私の主な担当業務は、資金提供を受けた事業の非経済的なインパクトを投資家や一般の人々に定期的に伝えるために使える、社会的インパクトレポートのモデルを設計することでした。セキュリテのビジネスモデルは、社会的インパクト投資の主要な原動力として「共感」を中心に据えている点でユニークであり、そのため投資家への報告という仕事は特に興味深く、大手金融機関で想定されるものとは異なっています。
社会的インパクト測定にとどまらず、ミュージックセキュリティーズは私に職業人としての成長の機会を限りなく与えてくれました。同社の活動は日本国内に限られないため、国際協力機構(JICA)のような機関や、モンゴルやラオスといった途上国の中小企業との会議で、同僚たちをサポートする機会にも恵まれました。これらの国々の投資環境やクラウドファンディングの可能性についての調査、セキュリテを通じて資金提供できる事業の発掘なども、私の業務に含まれていました。
直近では、同社が国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)の「持続可能なブルーエコノミー金融イニシアティブ」に日本初の署名機関として加わるにあたってのサポートを行いました。持続可能なブルーエコノミーを支援する同社の取り組みを報告するためのモデルのドラフトを作成したほか、「持続可能なブルーエコノミー金融原則」に照らして同社の投資を評価するためのガイド文書も起草しました。特筆すべきこととして、同僚たちとともに、UNEP FIだけでなく大手金融機関や持続可能なブルーエコノミーのリーダーたちも参加する、持続可能なブルーファイナンス・イニシアティブの各種会合に参加することができました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴う困難にもかかわらず、私のインターンシップはすべて対面で実施され、日本人の同僚たちと密に交流することができました。ミュージックセキュリティーズでインターンをするには、流暢な英語を話す社員が複数いるため、日本語は会話レベルで十分です。さらに、同僚の皆さんは、忙しいスケジュールの合間を縫って私の質問や疑問に答えてくださるなど、大きな優しさと忍耐強さを示してくれました。
ミュージックセキュリティーズでのインターンを通じて、従来の金融の限界を押し広げることが、社会と環境に価値ある好ましいインパクトをもたらしうることを実感しました。公共政策を学ぶ学生として、クラウドファンディング、先進国・途上国における中小企業金融、ブレンデッド・ファイナンスなどのトピックについて、知識を大きく広げることができました。このまたとない機会を与えてくださったミュージックセキュリティーズ、同僚の皆さん、そしてGraSPPに心から感謝申し上げます。ミュージックセキュリティーズで得た豊かな経験は、今後の私のキャリアと職業人としての成長にとってかけがえのないものになると信じています。